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参考書籍≫がん診療レジデントマニュアル 第8版
Contents
免疫チェックポイント阻害薬の副作用:皮膚障害とは?
皮膚障害は最も頻繁に、かつ早期に観察されるirAEのひとつです。
多くの皮膚障害はGrade1-2の軽度なものとされていますが、中には非常に重篤な皮膚障害を発現するケースも存在します。
一方で、悪性黒色腫の治療にニボルマブ(オプジーボ)を使用した場合において、尋常性白斑の出現率と奏効率の高さが相関しているという報告も存在し、皮膚障害が予後予測因子の一つとして用いられる場合もあります。
irAEとして発現する皮膚障害の種類
irAEでは多種多様な皮膚障害が発現するのが特徴です。
カペシタビンのHFSや抗EGFR抗体のざ瘡などのように、薬剤毎に特徴的な皮膚障害が出現するというよりは、どの免疫チェックポイント阻害薬でも様々なパターンで皮膚障害が出現します。
- 多形紅斑
- 尋常性白斑
- 尋常性乾癬
- 水泡性皮膚炎
- 類天疱瘡
- SJS
- TEN
- など
皮膚障害は全身に出現しますので、注意深く観察する必要があります。
CTCAE|皮膚障害のグレード評価方法
CTCAEにおける皮膚障害のグレード評価です。
Grade1-2
体表面積の≦30%を占める
生活に支障がない場合はGrade1
Grade3-4
体表面積の>30%を占める
皮膚障害の対処方法は?
皮膚障害への明確な対応方法はなく、外用ステロイドなどの対処療法を行いながら、免役チェックポイント阻害薬の投与を継続する(グレードによる)のが基本です。
Grade1-2
免疫チェックポイント阻害薬の継続を検討
対処療法(抗ヒスタミン・局所ステロイド)
Grade3-4
免疫チェックポイント阻害薬中止
専門医へのコンサル
ステロイドの投与
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