この記事では、非小細胞肺がん(扁平上皮癌)の1次治療に用いられる『CBDCA+nab-PTX+ペムブロリズマブ』に関して紹介します。
CBDCA+nab-PTX+キイトルーダ(ペムブロリズマブ)療法
- 非小細胞肺がん(扁平上皮癌)
- 1次治療
- PDL‐1発現問わず
ステージⅣbの非小細胞肺がん(扁平上皮癌)の1次治療に用いられるのが『CBDCA+nab-PTX+ペムブロリズマブ』です。
ペムブロリズマブはPDL-1の発現を問わず、プラチナダブレットへの上乗せ効果が示されています。
Nab-PTX(アブラキサン)は、調製に手間がかかるものの、PTXと違いアセトアミノフェンやレスタミンの前投薬が不要であり、アルコールを含まないなどの利点があります。
投与スケジュールと基本投与量
- 1コース21日サイクル
- CBDCA:AUC6(Day1)
- キイトルーダ:200mg/body(Day1)
- nab-PTX:100mg/m2(Day1.8.15)
4コース終了後キイトルーダ単独でメンテナンス
注意すべき点は、nab-PTX(アブラキサン)が毎週投与ということです。
患者にとっても毎週の通院治療はかなり負担になりますので、投与スケジュールもレジメン選択の際に考慮すべきポイントです。
有効性
OS中央値:15.9ヵ月
PFS:6.4ヵ月
奏効率:57.9%
副作用
好中球減少(Grade≧3) | 22.7% |
貧血(Grade≧3) | 15.5% |
血小板減少(Grade≧3) | 6.8% |
下痢(Grade≧3) | 4.0% |
疲労(Grade≧3) | 3.2% |
関節痛(Grade≧3) | 1.4% |
呼吸困難(Grade≧3) | 1.4% |
肺臓炎(Grade≧3) | 2.5% |
大腸炎(Grade≧3) | 2.2% |
肝炎(Grade≧3) | 1.8% |
各薬剤の注意点
各薬剤の注意点を紹介します。
参考:各薬剤の添付文書より
CBDCA
- 投与量に応じて250mL以上のブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和する。
- 生理食塩液等の無機塩類(NaCl、KCl、CaCl2等)を含有する輸液に混和するときは、8時間以内に投与を終了する。
- イオウを含むアミノ酸(メチオニン及びシスチン)輸液との配合を避けること。
- アルミニウムと反応して活性が低下するので、アルミニウムを含む医療器具を用いないこと。
Nab-PTX
- 懸濁液の調製に当たっては、必ず生理食塩液を使用すること。
- 本懸濁液は他の薬剤とは混注しないこと。
- 本剤投与時には、インラインフィルターは使用しないこと。
ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
- 日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液の点滴バッグに注入し、最終濃度を1~10mg/mLとすること。
- 希釈液をすぐに使用せず保管する場合には、25℃以下で6時間以内又は2~8℃で合計24時間以内に使用すること。
- インラインフィルター(0.2~5μm)を使用して、30分間かけて静脈内投与すること。
アブラキサンとキイトルーダのフィルターの違いに注意です!