メマリー（メマンチン）とリスペリドンの『興奮』を抑える効果はどのように違う？

こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life

読者様からご質問をちょうだいしました。

介護福祉士さん（老健施設勤務）

「メマリーもリスペリドンも脳の興奮を抑える薬だと言われたけど、どう違うのか？」患者さんにこんなことを言われたのですが、上手く答えられませんでした。

なんて答えればいいでしょう？

はいたっち

ご質問ありがとうございます！

難しいことを言っても仕方がないと思うので、患者さんにわかりやすく説明することが大切ですね。

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はいたっち

いつもご質問ありがとうございます！

順番に回答させていただきます。

【NMDA阻害薬】メマリー（メマンチン）ってどんな薬？薬理作用は？

はいたっち

まずはメマリーの基本から確認しましょう！

参考：添付文書

【DI】メマリー（メマンチン）の効能効果

中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

【DI】メマリー（メマンチン）の用法用量

通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する。

【DI】メマリー（メマンチン）の使用上の注意

• アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること
• 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない
• アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない

はいたっち

アルツハイマー型認知症のみに使用できる薬剤です。

【薬理作用】メマリーの作用機序は？

アルツハイマー型認知症ではグルタミン酸神経系の機能異常が関与しており、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体チャネルの過剰な活性化が原因の一つと考えられている。

メマンチンはNMDA受容体チャネル阻害作用により、その機能異常を抑制する

添付文書より

はいたっち

メマリーはNMDA受容体阻害薬とよばれています。

リスパダール（リスペリドン）の基本

リスペリドンの基本に関しては別の記事にまとめてあります。

こちらの記事をご確認下さい。

»リスペリドンの錐体外路症状を分かりやすく解説！

【質問への回答】メマリーとリスペリドンの『興奮』を抑える機能の違い

メマリーは興奮を直接抑えるわけではなく、アルツハイマー型認知症の病態そのものを改善させることで、間接的に興奮を抑制します。

その一方でリスペリドンは、興奮や不穏、幻覚や妄想といった症状に対して直接作用する。

そんなイメージです。

そのため、突発的な不穏が出現したときには、メマリーではなくリスペリドンが頓用で使用されます。

認知症関連で合わせてお読み下さい

»アリセプトで怒りっぽくなるってホント？

【医療スタッフにおすすめ】3分で人生が変わる動画

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ABOUT ME

瀬古高行

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。