訪問管理の薬の管理の役目は、主治医の指示通りの服薬が出来ているかの確認と残薬の確認をすることが役割になります。
利用者さんの状態を見て主治医に報告して、薬の調剤を薬剤師に繋ぐ役割も兼ねています。
訪問看護師による薬剤管理は利用者さんの健康状態を守る要の業務になるので、今後も需要が高い支援内容の一つです。
内服忘れを予防するために、訪問看護師の管理方法の引き出しは多い方が良いです。
薬の管理方法の引き出しを増やしたい方や、訪問看護を初めて仕事とする方にはオススメの内容になっているため参考にしてみてください。
訪問看護師は利用者さんと共に服薬の管理を行う
利用者さんが服薬管理の支援を受ける時は「人に頼らないといけなくなった」と自信が持てなくなる方もいます。
ケアマネージャーからの依頼により訪問看護師が支援に入りますが、ただ薬の管理をするだけではいけません。
自信を喪失されている利用者さんの心に寄り添えるように、訪問看護師は共に服薬ができるように作戦を練る必要があります。
例えば、処方された薬を何日のいつに飲むのかをカレンダーに記入したり、薬が連なっている場合は切り離す作業を共に行ったりすることで、服薬管理に自分も関わっているという気持ちを持ってもらうことも立派な仕事の一つです。
作業を共にすることで、手指のリハビリや頭を使うため、認知機能の保持にも繋げられます。
訪問看護で働く方は、利用者さんに寄り添う心を持つ人が望ましいです。
利用者さんに合った服薬方法を探す
在宅での服薬管理は、工夫を凝らすことで服薬漏れを防げます。
訪問看護師が扱う服薬方法を4つ紹介します。
- 服薬日をカレンダーに書いておく
- 1週間分の薬をケースに入れて保管する
- 1日分の薬をケースに保管する
- 1日分の薬を卓上の目立つところに置いておく
以下で詳しく解説していきます。
①服薬日をカレンダーに書いておく
利用者さん、ご家族、訪問看護師が薬の飲み忘れを防ぐためにカレンダーに服薬の日時を記載することで服薬を習慣化できます。
壁掛けカレンダーや卓上カレンダーに記入しておくことで、日常的に視界に入るため、頭の隅に記憶させることが出来ます。
②1週間分の薬をケースに入れて保管する
1週間分の薬をコンパクトケースに入れて保管しておくと、持ち出しがしやすく、飲んだかどうかの確認も容易にできるので便利です。
しかし、高齢や疾患を持たれている利用者さんにとって扱いづらいタイプのものも存在するため、コンパクトケースの種類は利用者さんにとって使いやすいものを選びましょう。
③1日分の薬をケースに保管する
1週間分の薬のケースをより濃密にした方法になり、主に朝、昼、晩など1日に飲む回数が多い方にオススメの方法になります。
ケースは小さいサイズにもなるため、出かける際にも持ち出しやすいのが特徴です。
④1日分の薬を卓上の目立つところに置いておく
卓上に薬を置く方法は、比較的飲み忘れが少ない方にオススメの方法です。
しかし、利用者さんの状態によっては、適切でないケースがあります。
特に認知症の方の薬の管理には特に注意が必要です。
まずは、利用者さんの状態を把握することが第一歩になります。
訪問看護師が必ず守らないといけない3つの大切なこと
訪問看護は利用者さんの自宅に伺う仕事です。
しかし、人と接する仕事は些細なできごとで不快に感じられる方もいます。
介入方法によっては利用者さんの信頼関係にも影響するので、心構えと丁寧な所作が求められます。
適切な介入方法を知っておくことで利用者さんとの信頼を得ることができるので、大切なポイントを3つ紹介します。
- 訪問時間に余裕をもって伺う
- 利用者さんの大切な薬を管理している自覚を持つ
- 主治医と状況の共有を怠らない
それぞれ詳しく解説していきます。
➀訪問時間に余裕をもって伺う
利用者さんの自宅に伺う際には遅刻は絶対にしてはいけません。
訪問看護師は訪問スケジュールが過密になっていることもありますが、利用者さんは時間通りに来ることを想定しています。
もし、遅れることがあれば利用者さんにすぐに連絡するようにしましょう。
初回訪問の時は利用者さん自身の管理が難しいとされている以上、多くの残薬があることが想定されます。
➁利用者さんの大切な薬を管理している自覚を持つ
看護師は大切なものを管理させていただいているという自覚を忘れてはいけません。
また利用者さんは訪問看護の支援には納得されていますが、今まで自分がしていたことが出来なくなった喪失感を持たれている方もいらっしゃいます。
利用者さんの健康状態にも気を配らないといけませんが、同じく大切にしないといけないことは利用者さんの尊厳を守ることです。
共に利用者さんと薬の管理をするようにしていくことが大切です。
➂主治医と状況の共有を怠らない
訪問看護師は利用者さんの主治医と状況の共有をすることも大事な仕事になります。
主治医は利用者さんが毎日欠かさず、服薬をしていることを前提に診察をしているので服薬が正しく出来ていないと、誤った診断を招きます。
在宅での状況を把握するには、診察時の聴取では情報が少ない場合があるため、訪問看護師の状況報告は主治医にとっては大事な診断材料になりますので状況共有は怠ってはいけません。
利用者さんの健康状態を守るためにも日々の報連相は欠かさないようにしましょう。
上記が訪問看護師を行うにあたり、守らないといけないポイントです。
訪問看護師による薬の管理は利用者さんとの信頼関係が必要
今後、日本は高齢化が進んでいくことが予想されます。
老介護や家族介護などでも服薬の管理は難しい家庭もあるため、それぞれの家庭に合った管理方法が求められます。
利用者さんの生活を守るためにも、まずは相手のことを知る気持ちが必要になりますので、どんな風に利用者さんと関わっていくのが良いのかを日々考えることが大切です。