こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
僕は「パニック障害」という病気を抱えています。
参考 パニック障害克服記録
体は元気なのですが、人よりもパニック発作を起こしやすいという特性があります。
パニック発作というのは、その名前ほど「ポップ」なものではありません。
暗く、深い、水の底に沈んでいくような、息ができなくなる、「恐怖」そのものが襲ってきます。
僕は結構プライドが高い「いい大人」なのですが、発作の最中は、恐怖に支配され、苦しみ、我を忘れて泣きながら助けを求めてしまいます。
恥ずかしいですが、今は「個性」だと思って受け止めています。
さて、2018年9月に日本を襲った台風21号。
僕の住んでいるマンションは停電になりました。
エアコンがつかず徐々に蒸し暑くなります。
紹介し忘れましたが、僕は「暑さ」に弱いです。
「暑さ=不快」と脳が勝手に認識してしまい、パニックを起こします。
部屋にいたらパニック発作が起る、そう思って僕は外に出ようとしました。
もちろんエレベーターは動きません。
階段を駆け下ります。
おそらくこの行動もパニックの前兆です。
「外に出なきゃやばい」と、異常なまでに外に出ることに集中していました。
1Fに到着し(僕の家は10階以上です)マンションから出ようと思ったら・・・。
マンション入り口の「オートロック」が解錠しません。
非常電源が作動していなかったようで、僕はマンションに閉じ込められました。
あとちょっとで外に出れる。
あとちょっとで息ができる。
そう思ってドアを押した僕の気持ちが伝わるでしょうか?
僕は「普通じゃない」んです。
あとちょっとで息ができると思って水面に向かって浮上したら、急に壁にぶつかって、水から顔を出せなくなった。。。
そんな事を想像してみて下さい。
どれ程の恐怖か分かるはずです。
停電なんてそのうち直るっしょ!
エアコン止まったならうちわでも使っときなよ!
今までの僕ならそう言っていたでしょう。
でも今の僕なら分かります。
テレビで報道される「目に見える部分」だけが災害の被害ではありません。
医療支援が必要な災害弱者をいかに救うか?
医療関係者の使命は大きいです。
災害弱者/要配慮者とは?
災害弱者(さいがいじゃくしゃ)とは、災害時、自力での避難が通常の者より難しく、避難行動に支援を要する人々を指す。
防災行政上は、要配慮者と言う。
ウィキペディア
具体的な人物像は・・・
- 障害者
- 傷病者
- 体力の衰えた、あるいは認知症の高齢者
- 妊婦
- 乳幼児・子供
- 外国人
- 旅行者
高齢者・妊婦・乳幼児にはだれだって手を差し伸べるでしょう。
車椅子の人がいたら、移動に協力すると思います。
では僕のような「疾病者」はどうですか?
- 身長180cm
- 体重60kg
- フルマラソンを完走できる体力
自分で言うのはなんですが、僕のことは誰がどうみても病気だとは思いません。
でも僕は台風の日に、マンションの1Fで「動けなく」なりました。
文字通り動けません。
なんで?って言われても、僕が聞きたいくらいなので答えられません。
座り込んでいる僕をみても「大丈夫ですか?」と言ってくれる人はいません。
でも僕は動けません。
きっと「見えない弱者」は僕だけではありません。
「見えない」災害弱者
- 1型糖尿病患者
- 透析患者
- 在宅酸素
- 血液疾患
- 精神疾患
- 癌性疼痛
- などなど・・・
これらの患者の多くは、「普通に」見えます。
たとえ、全身に痛みが生じているがん患者であっても、見た目には「がん」だと分からない事が多々あります。
しかし、だからといって医療支援を後回しにすることなどできません。
痛みを止めるための「オピオイド」の供給が止まってしまっては、これらの患者は物凄い苦しみを味わう事になります。
1型糖尿病患者のインスリンの供給が止まったら?
在宅酸素患者の酸素ボンベが枯渇したら?
精神疾患患者の安定剤(抗不安薬)がなくなったら?
高齢でなくても、妊婦でなくても、見た目が「普通でも」、医療支援が必要な人達はたくさんいます。
こういった「見えない要配慮者」達に、どのように向き合っていくかは、とても重要な課題だと思っています。
僕は1人の「見えない災害弱者」として、少しでも役に立つ情報発信ができるように頑張りたいと思っています。
Sincerely,
Hitouch