- 新規格であるテセントリク840mgが薬価収載を予定
- トリプルネガティブ乳がん
- nab-PTXとの併用でエビデンスあり
Contents
テセントリク840㎎の効能効果
PL-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん
乳がんで使用されるテセントリクは投与量が840㎎ということに注意が必要です。(肺がんは1200㎎)
乳がんで使用する場合には、今回新発売となった『テセントリク点滴静注840㎎』を使用する必要があります。
肺がんで使用しているテセントリク1200㎎は乳癌では使えない!
テセントリク840㎎の用法用量
パクリタキセル(アルブミン懸濁型)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回840mgを60分かけて2週間間隔で点滴静注する。
なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
- nab-PTX(アブラキサンと併用)
- 840㎎/body
- 2週間隔
- 投与速度60分→30分
テセントリク840㎎の注意事項
テセントリク840mgの注意点を確認していきます。
PD-L1に関して
PD-L1を発現した腫瘍浸潤免疫細胞の占める割合について、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。
検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いること。
添付文書より
PD-L1測定に関しては『ベンタナ OptiView PD-L1 (SP142)』を使用する必要があります。
このコンパニオン診断薬は肺がんで用いられているものとは異なります。
ベンタナ OptiView PD-L1 (SP142)とは?
免疫組織化学(IHC)法を測定原理とする検査キットです。
がん組織または細胞中のPD-L1発現率の測定に用いられます。
テセントリク®の扁平上皮非小細胞肺がん患者への適切な投与を行うための補助に用いる体外診断用医薬品として2018年5月に発売しました。
今回、同剤の乳がん患者におけるコンパニオン診断薬として適応追加の承認を取得しました。
参考資料≫ロシュ
IMpassion130試験:テセントリクのエビデンス
参考文献≫Atezolizumab and Nab-Paclitaxel in Advanced Triple-Negative Breast Cancer
テセントリクはIMpassion130試験において、PD-L1陽性の転移再発トリプルネガティブ乳癌(1次治療)に対して、アブラキサンとの併用で良好な治療成績をおさめた。
試験デザイン
テセントリク840㎎(D1.15)+nab-PTX100mg/m2(D1.8.15)
VS
プラセボ+nab-PTX100mg/m2(D1.8.15)
- 未治療(1次治療)
- 転移再発乳がん
- トリプルネガティブ
- PD-L1陽性
有効性(PFS)
PD-L1陽性群における無増悪生存期間(PFS)はテセントリク+nab-PTX併用群で有意に改善した。
HR, 0.62; 95% CI, 0.49 to 0.78; P<0.001
有効性(OS)
全生存期間(OS)に関しては、有意差は認めないものの、死亡リスクの減少傾向は示した。
HR, 0.84; 95% CI, 0.69 to 1.02; P=0.08
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